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何度も郁哉と身体を重ねて、終わりにしたのは深夜になってからだった。
たいてい最後は果ててそのまま2人で寝落ちすることが多いのだけれど、今日はお互い眠ることなく、ベッドの中で抱き合っていた。
「郁哉、身体つきまた変わったね。」
郁哉に腕枕をされ、胸元や腕に触れると前よりずっと筋肉が付いて硬くなっている。
「マジ?」
「うん。」
「俺はあんまわかんないけど、毎週見てる樹理亜さんがそう言うならそうなんだろうね。」
「見る度違うからすごいと思って。相当キツいことしてるよね?」
「んー…まぁ。でも、そういうものだと思ってやってるから。」
「しんどくない?」
「しんどくないって言ったら嘘になるけど、自分で決めた道だし、頑張んなきゃって踏ん張ってるかな。」
「そっか…。」
郁哉の何がすごいって、どんなに厳しくてキツイことをやっていても、決して弱音を吐かずにこなしているところだ。
そして、人知れず努力もかなりしてるはずだし、我慢もしてるはずなのに、決してそれを口にしない。
そういう真っ直ぐなところは大好きだけど、時々無理し過ぎてるんじゃないかと心配になる。
「郁哉…、耐えられなくなった時は、あたしを頼ってね?何もできないかもしれないけど、話聞くことはできるから。」
「ありがと。でも、今のところ大丈夫だから。」
身体をより引き寄せられ、郁哉の腕が背中に回る。
あたしも郁哉の背中に腕を回してぎゅっと抱き締めた。
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