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「郁哉、なんだか常盤くんに拘っててまいっちゃうんですよね。」
「そりゃそうでしょ。」
「あたし、常盤くんに目移りするとか思われてるんですかね?」
「心配なんでしょ。常盤くんが金沢に手出すんじゃないかって。」
「えー…、まさか。」
どうも周囲は常盤くんがあたしに気があるんじゃないかとか言う人ばかりだけど、常盤くんともあろう人は女の子に不自由してないし、あたしなんかよりいい人が周りにたくさんいると思う。
「常盤くんって、なんか金沢に好意持ってる感じに見えるんだよね。末永くんもそれ見抜いてるんじゃない?」
「……、」
そういえば、グレイシアで郁哉にも同じようなこと言われたっけ。
「まぁ、金沢は特に何もしなくていいと思うけど、無自覚無警戒はトラブルの元だから気を付けた方いいよ。」
「…そうですね…。わかりました…。」
要は、常盤くんには気を付けてってことなんだろうな。
常盤くんと同じ職場ってだけでも郁哉は嫌がってるし、今週はその常盤くんと飲み会もあるけど、距離感さえ間違わなければ大丈夫。
そんなことを思いながら、あたしは仕事に戻った。
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