4月⑫

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『明日帰るからさ、樹理亜さんとこ行っていい?』 「明日?」 『うん。樹理亜さん土曜日飲み会だっていうから、俺的に明日泊まりに行きたいんだけど。』 「いいよ。もちろん。待ってる。」 『どっか食べに行こ?』 「うん。」 『行きたい店とかあったらそこ行くし。』 「お店いろいろ探してみるね。」 『たまにはさ、』 「うん?」 『飯の後ラブホとか、行ってみる?』 「──は?」 ──ラブホ? ラブホって…、ラブホ!?なんでそうなるの!? 唐突に郁哉の口から出てきたその言葉に反応してる自分が恥ずかしくなってきた。 『ははは!冗談。冗談だよ。』 「冗談…、」 『今の気にしないで。』 「おかしなこと言わないでよ…。」 『ごめんごめん。』 「もう…。」 『明日、帰る時連絡するから。』 「わかった。」 『じゃあ、明日ね。』 「うん。」 通話を終え、スマホをテーブルに置いてふと思った。 そういえば、郁哉とラブホって行ったことないかも。 消防学校の仲間と親しくなったって言ってたし、郁哉と同じような年齢の男子ばかりだし、そういう話になったとか? もしかして、その影響? いや、そんなわけないよね。考え過ぎかな。 冗談だって言ってたし。 そう思い直して、考えるのをやめた。
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