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4月①
「樹理亜さん、もう1回、しよ?」
「んっ、だめ、だってば。」
「なんで?」
「なんでって…、明日、入校式でしょ?」
4月の第2日曜日。
彼がアパートに来て早々、身体を重ねる。
既に何度も繋がって相当疲れているはずなのに、彼…末永郁哉は、後処理直後にまた覆い被さってくる。
「入校式と、こっちは関係ないし。」
あたしの発言を無視して、郁哉は膨らみを撫で上げながら首筋に吸い付く。
「あっ、こんなことばっかしてたら、疲れちゃう、でしょ?」
大事な式典前日に、こんなことしてバテてたら大変だと思う。
何より、これから長い訓練生活に向けて体力の温存と心の準備なんかをした方がいいのに。
なんて、思っていると手の動きが止まり、首筋に埋めていた顔を上げ、上半身を少し起こしてあたしを見下ろした。
茶色が多めなくりっとした瞳に見つめられるだけで胸がキュッとなるのは、付き合って4ヶ月経った今でも変わらない。
「俺、体力自信あるから大丈夫。つーか、そのくらい知ってるでしょ。」
そう言う郁哉の唇が綺麗に弧を描く。
整った形でちょうど良い厚みの唇もたまらなく好き。その唇、アヒル口にすると本当にかわいいんだよなぁ。
そんなことを思いながら、郁哉の頬に手のひらを当て親指を這わせてゆっくり唇をなぞった。
「今日の樹理亜さんなんか、エロ。」
「んっ、」
触れていた親指が彼の唇に咥えられて、声が漏れてしまう。
どちらかと言えば、そっちの行為の方がエロい。
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