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閉鎖された隧道
隧道の入り口で、真一と隆二は警戒しながら中を覗き込んだ。薄暗い隧道の奥から、不気味な静寂が漂ってきた。
「ここが奴のアジトか…」真一が低く呟いた。「準備はいいか、隆二?」
「ああ、でも気をつけろよ。何が待っているかわからないからな」
隆二も同じように低い声で答えた。
二人は慎重に隧道に入っていった。突然、真一の無線が鳴り、静寂を破った。
「真一、聞こえる?」無線越しに薫の声がした。「ウィルスの感染源がここにある可能性が高いわ。気をつけて」
「了解だ、薫。君も安全な場所にいてくれ」
さらに奥へ進むと、隧道の壁に書かれた謎の文字が目に入った。それを見て、隆二が口を開く。
「これ、クイズのようだな。解かないと先に進めない」
「やるしかない。時間がない」真一は壁に目を凝らした。
壁には「ウィルスを止める方法は何か?」という問いが書かれていた。
「ウィルスの弱点か…」隆二が考え込む。
「薫、助けてくれ。ここにクイズがあるんだ。ウィルスを止める方法は何だ?」
真一が無線に向かって話しかけた。
無線越しに薫の冷静な声が響く。「ウィルスを止めるには、高温での処理が有効よ。それがヒントになるかも」
「ありがとう、薫。よし、答えは『高温』だ」
壁の扉が音を立てて開き、二人はさらに奥へと進んだ。そこには巨大なウィルス培養装置があり、その前にはシンパが待ち構えていた。
「ようこそ、真一。そしてお仲間も」
シンパが冷笑を浮かべて言った。
「シンパ、お前の計画はここで終わりだ」
真一が毅然と告げる。
「まだだ。君たちが追試を受ける番だ。ここから生きて出られるかどうか見ものだな」
シンパが不敵な笑みを浮かべた瞬間、隧道の出口が封鎖された。
「絵里子、今どこだ?」真一が無線で絵里子に問いかけた。
「真一!私も隧道にいるわ。彼のシンパを見つけたの。早く解決策を見つけて!」
絵里子が息を切らしながら答えた。
「絵里子、そこで何を見た?」
真一が続ける。
「隧道の奥にもう一つの出口があるわ。でも、そこにはウィルスが充満している。早くしないと全員感染してしまう」
「真一、ウィルスを消すためには装置を破壊する必要があるわ」
薫が無線越しに指示を出した。
「わかった、やってみる」
真一は装置に向かい、ウィルスを無効化するためのスイッチを探した。
「そんな簡単にはいかないさ!」
シンパが攻撃を仕掛けてくる。しかし、隆二が間に入り、真一を守った。
「隆二、ありがとう」
真一はスイッチを見つけ、押した。
装置が破壊され、ウィルスの拡散は止まり、隧道の出口も再び開かれた。
「真一、やったわ!急いで脱出しましょう」
絵里子が呼びかけた。
全員が無事に隧道を抜け出し、外の光を浴びた。
「皆、お疲れさま。これで一安心ね」
薫が安堵の表情で言った。
「まだだ、シンパを捕まえるまでは終わらない」
真一は決意を新たにした。
シンパは逮捕され、事件は解決した。しかし、真一たちは再び新たな事件に向かって動き出すのだった。
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