浪花パニック

クエスト

　関西空港でのシンパのVXガス計画を阻止した後、真一たちは一息つく間もなく新たな任務に就くことになった。
「次の目的地は、千早赤阪村だ。そこに何か大きな秘密が隠されているらしい」
　真一が地図を広げながら言った。
「どうやら、村全体がパニック状態に陥っているようだ。原因を突き止めないと」
　隆二が付け加えた。

　彼らは村に到着し、地元の住民から情報を集め始めた。村人たちは「クエスト」と呼ばれる奇妙なゲームに巻き込まれていることが判明した。
「このクエストって、一体何なんだ？」
　絵里子が不思議そうに尋ねた。
「どうやら、特定の条件を満たすと報酬がもらえるらしい。でも、その過程で多くの人が失踪している」
　絵里子の妹の理恵子が説明した。
「つまり、何者かがクエストを利用して村人たちを操っているのか」
　真一が考え込んだ。

　クエストの手がかりを探している最中、真一は突然トイレに行く必要が生じた。
「すぐ戻る、ちょっとトイレに行ってくる」
　真一が慌てて言った。
「気を付けて。こんな状況だから、何があるかわからないわよ」
　理恵子が心配そうに声をかけた。
　トイレに向かう途中、真一は不審な人物を見かけた。追跡を開始し、その人物がクエストの黒幕であることを突き止めた。

「ここにレアメタルが埋まっているらしい。それが原因で村がパニックになっているのかもしれない」真一が集めた情報を仲間に伝えた。
「レアメタルを狙って、誰かがクエストを仕掛けたってわけね」
　絵里子が推測した。
「その可能性が高い。クエストをクリアすることで、レアメタルを手に入れようとしているんだ」
　隆二が頷いた。

　村の川沿いで、地元の老人がルアー釣りをしていた。真一たちは話を聞くことにした。
「この川は昔からレアメタルが採れる場所だったんだが、最近は誰も知らない奇妙なゲームが始まったんだ」
　老人が語った。
「そのゲームに参加した人々が次々と消えているんですね？」
　理恵子が確認した。
「ああ、そうだ。クエストをクリアするために、みんなが必死になっている」
　老人が頷いた。
「真一、ちょっといいかしら？」　
　理恵子が話しかけた。
「どうした？」　
　真一が振り返った。
「クエストの背後に、何か大きな組織が関わっているかもしれないわ。村人たちを操っているのは、一人の力じゃない」
　理恵子が深刻な表情で言った。
「確かに、そう考えると筋が通るな」
　真一が同意した。

　村の中心で、若者たちがコンパを開いていた。彼らもまた、クエストの参加者だった。
「君たち、クエストについて何か知っているか？」　　　　真一が問いかけた。
「知ってるさ。でも、あれは危険だ。何人も失踪してる」　　
　一人の青年が答えた。
「俺たちも気を付けているけど、報酬があまりに魅力的でね」
　別の青年が付け加えた。
「その報酬って？」
　絵里子が興味津々で尋ねた。
「レアメタルさ。手に入れば、一生安泰だって言われてる」
　青年が説明した。

　真一たちは、クエストの背後にいる組織を突き止めるために動き始めた。理恵子の情報を元に、村の外れにある廃工場に向かった。
「ここがその場所か…。何か嫌な予感がする」
　真一が慎重に言った。
「気を付けて、何が待ち受けているかわからない」　　　理恵子が注意を促した。
　廃工場の内部には、クエストの制御センターがあった。真一たちは慎重に進み、最終的に黒幕の正体を暴いた。
「これで終わりじゃない。これからが本当の戦いだ」
　真一が決意を新たにした。
「皆で力を合わせて、村を救いましょう」
　絵里子が笑顔で言った。
「そうだ、まだやるべきことがたくさんある」
　隆二が同意した。
　彼らの戦いは続く。しかし、その先に待つのは平和と希望だった。