浪花パニック

クアハウス

　夏の暑い日、大阪府梅田にあるクアハウスで賑わう人々が突然のパニックに見舞われた。
　梅田は、大阪府大阪市北区に広がる大阪を代表する日本有数の規模の繁華街・オフィス街。または、北区の町名。現行行政地名は梅田一丁目から梅田三丁目まで。実際には大阪駅・梅田駅を中心により広範な地域を指す。日本最大級の超高層ビル群（100メートル以上のビルの数）が立ち並ぶ。
　梅田は大阪市北区の町名であり、一般的な通称としては梅田駅・大阪駅周辺の繁華街を指す。梅田や北新地を中心した広域な繁華街は、キタと呼ばれ、大阪ではミナミと双璧を成す一大商業エリアである。

　突然の停電とともに、建物全体が封鎖されたのだ。外に出ようとするもドアは全てロックされている。誰かが意図的に仕組んだ罠だった。

　そのクアハウスは最新設備を備えた豪華なリゾート施設だった。温泉やプール、リラクゼーションルームが完備され、日々の疲れを癒すために多くの人が訪れていた。しかし、その日だけは静寂が破られることになった。

　施設内のあちこちで素足のまま逃げ回る人々の姿が見られた。サンダルやスリッパを脱ぎ捨て、必死に安全な場所を探して走り回る様子が不安と恐怖を物語っていた。

　パニックが広がる中、施設内の一角では試合が行われていた。地元の空手道場が催した交流試合だ。試合は一時中断されたが、道場のリーダーは冷静に指示を出し、参加者たちを守るために立ち上がった。

　突然、停電の原因を突き止めようとする中、道場の師範が一人で施設内を調査し始めた。彼は居合斬りの達人であり、その技術を駆使して安全を確保しようとする。暗闇の中、鋭い刃が閃き、不審者を次々と倒していった。

　施設内の一部の部屋では、リアル脱出ゲームが開催されていた。参加者たちは最初、これがゲームの一部だと思っていたが、次第に現実の危機であることを悟った。ゲームの知識を活かして、彼らは協力し合いながら脱出の手がかりを見つけていく。

　ムッパと呼ばれる謎の男が、パニックの原因であることが判明した。彼は長年施設で働いていたが、不満を抱えていた。彼の真の目的は復讐であり、彼は施設内の全てのシステムを掌握していた。しかし、居合斬りの達人とリアル脱出ゲームの参加者たちが力を合わせ、ムッパの野望を阻止するために立ち上がった。

　真一: 警察の敏腕刑事薫: 科学者でウィルス専門家、隆二: 真一の同僚刑事、絵里子: ジャーナリスト、薫:女医の4人がムッパに挑む。

「ここが最後の場所だな」
　真一が厳しい表情で言った。
「ええ、ムッパの仕掛けたウィルスがここにあるはずよ」
　薫が答えた。
「慎重に行こう。彼はただのテロリストじゃない。シンパの仲間でもある」
　隆二が周囲を警戒しながら言った。
　突然、無線が鳴り響いた。絵里子からの緊急連絡だった。
「真一！今すぐ来て！ムッパが逃げようとしているわ！」
「了解。薫、隆二、行くぞ！」
　4人は急いで施設の奥へと進んだ。ムッパが待ち構えていた。
「ようこそ、真一。君たちがここまで来るとはな」　　ムッパが冷笑を浮かべて言った。
「ムッパ、お前の計画はここで終わりだ」
　真一が毅然とした声で答えた。
「まだだ。君たちがここから生きて出られるか見ものだな」
　ムッパがスイッチを押し、爆発音が響いた。
「絵里子、どこにいる？」
　真一が叫んだ。
「ここよ、真一！
　ウィルスを止める方法を見つけたわ！」
　絵里子が答えた。
「どうするんだ？」
　真一が尋ねた。
「ウィルスを無効化するためには、この装置を破壊しなければならないわ」
　薫が説明した。
「やるしかないな。隆二、ムッパを抑えろ！」
　真一が命じた。
「了解！」
　隆二がムッパに向かって突進した。
　真一と薫は装置に向かい、無効化の準備を始めた。しかし、ムッパが突然反撃し、隆二を倒した。
「真一、気をつけろ！」
薫が叫んだ。
「くそっ、薫、先に行け！」
真一が叫び返した。
「でも…」
薫がためらった。
「俺が時間を稼ぐ。お前はウィルスを止めろ！」
真一が必死に叫んだ。
薫は覚悟を決め、装置に向かって駆け出した。その間、真一はムッパと格闘を繰り広げた。
「お前の計画はここで終わりだ！」
真一がムッパを押さえつけながら叫んだ。
「それはどうかな…」
ムッパが不敵に笑った瞬間、薫が装置を破壊した。装置が爆発し、ウィルスの拡散が止まった。
「やったわ！」
絵里子が歓声を上げた。
「皆、お疲れ様。これで一安心ね」
薫が安堵の表情を浮かべた。
「まだだ、ムッパを捕まえるまでは終わらない」
真一が決意を新たにした。
ムッパは逃げようとしたが、真一たちに追い詰められ、ついに逮捕された。
「終わったな」
真一が静かに言った。
「ええ。でも、新たな戦いが待っているわ」
絵里子が答えた。
「そうだな。これからも頑張ろう」
隆二が頷いた。
四人はクアハウスを後にし、新たな事件に向けて動き出した。