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重ねて言うが、この時のアーマリアは、十歳だった。
レイガの言うことは難しくて理解できないこともあったが、彼が話してくれることが嬉しくて、話を一生懸命聞いたのだ。
ないわ、と「有希」としての私は思うのだが。
アーマリアは、レイガのことは好ましく思っていたから、彼に惹かれるにはこの時の出来事でも十分だったらしい。
と言うか。
この時レイガが話していた「領地経営」なるものの内容を、十歳のアーマリアが理解していたこと事態、私的には凄い、と思う。
「アーマリア、あんた、凄いよ」
私は、小さく呟く。
今の私はアーマリアだけど、「麻生有希」としての意識だから、自分自身のこととは言え、どこかアーマリアは「妹」みたいに思えていた。
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