幕間<レイガ・フォレスト公爵の憂鬱①>

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「どうだったんだ?」 「奥様は、私にこう言われました。『イルン、あなたが一番大切にしたいのは誰?』と。私は『もちろん、旦那様です』とお答えしました」  そこで、イルンは一度言葉を切った。 「そうしたら、奥様は頷かれて、『うん。あなたはそれで良いと思う』と言われまして。それから……」 「それから、何と言ったんだ!」 「『でも、私の今の一番の推しは、『私』だから。私は、私自身を推し活するの!』と、ものすごっい笑顔で言われました……」  イルンの言葉に。  フォレスト公爵は、愕然となった。 「おしかつとは、何なんだ……?」 「わからないのですが、何かもう、旦那様のことは、眼中にない、と言うことは確かなようです……」
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