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そんなこんなで、アーマリアはこのフォレストに嫁いで来たわけだけど。
この「森の国」と言われるフォレスト領は、冬はとても寒くなる。
夏は涼しくて過ごしやすいけど、温暖な公都で育ったアーマリアには、とても厳しい物だったに違いない。
慣れない土地で。
親しい人はほとんどなく。
幼い頃から仕えてくれたロゼとか、何くれなく力になろうとしてくれたイルンとか、いたけれど。
肝心の夫であるレイガが、あれなのである。
「さて、どうするかな」
私は、ため息を吐いた。
とりあえず、今私がわかることは確認した。
ペンを机に置き、書いた内容を確認する。
書いている文字は、もちろん日本語ではない。
アーマリアの「記憶」に残っている文字だ。
「有希」の感覚としては、英語のような感じだ。
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