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 今日は南田レディースクリニックの初診日。待合室は既に15人くらいの患者がいて満席だった。このクリニックの診察開始は9時00分だそうだ。私の予約は9時30分で私は9時15分くらいに来たのだが既にこの混雑具合。30分の予約枠に何人の患者を診る計算になっているんだろう?  予めホームページからダウンロードした問診票に記入して持ってきたので、早く呼ばれるかなと思っていたがその考えも甘かったようだ。結局私が呼ばれたのは10時30分を過ぎた頃だった。  まずは採血検査、そして内診台に上がっておりもの採取と子宮頸管(しきゅうけいかん)細胞採取と経膣(けいちつ)超音波(エコー)検査を行った。ホームページによると南田レディースクリニックは年配の男性院長と女性医師の二診体制で、私は女性医師に当たれば良いなと思っていたが、初診だからか担当は院長だった。 「塩谷(しおや)茉奈(まな)さんでお間違いないですね。えー院長の南田です。よろしくお願いします。」 「はい、よろしくお願いいたします。」  ボソボソと話す院長だ。 「採血検査とおりもの及び子宮頸管細胞採取検査の結果はまた次回の診察時にお話します。超音波検査の所見としましては特に異状は見られませんでしたね。問診票によりますと月経は32日おきくらいで周期的に来ていると。そして最終月経が先月の14日…。今日が10日なので1週間以内には月経が来そうなのですね。可能であれば次は月経初日から5日後〜7日後に受けていただきたい検査があるので、月経が来たら当院に連絡して次回来院の予約をしてください。次回の検査は採血検査だけです。」 「分かりました。」 と私は答えながらも、今日の初診予約も本来は3ヵ月待ちとか言われたのだけど、本当にそんな急に次回の検査の予約を取れるものなのだろうかと疑問に思わずにはいられなかった。 「あとは…、えーと…、基礎体温を測っているとのことですが、それを今見せていただくことはできますか?」 「はい。あのアプリで記録しているんですけど。」 私はスマートフォンのアプリを起動して見せた。 「ふむ。この基礎体温表を元に、ここ2年程は性交タイミングを図っていらしたということですかね。」 「えぇ。まぁ…そんな感じです。」  実際はタイミング法の真似事をしようとしたが、ほとんどできなかった。「明日が排卵日みたいだから夜はよろしくね。」などとと予告してあまりタクミにプレッシャーを与えても良くないと思ったのもあるし、支店は違えど同じ会社で勤めているので、繁忙期はお互いに残業で帰りが遅くなって、子作りどころではなかったのだ。
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