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「えーっと。次のサイクルについてですが、塩谷さんはどうされたいですか?」
「次は移植でお願いいたします。」
「移植ですね。分かりました。当院ではホルモン補充周期で移植を行います。生理が来たらいつもどおりクリニックに連絡を入れてください。そして生理2日目からこちらの貼り薬を下腹部に貼ります。2日間貼ったら貼り替えてくださいね。貼る枚数は医師がその時々で指示しますが最初は4枚貼ってください。生理12日目頃に来院いただき、経膣超音波で内診して子宮内膜の厚さのチェックをします。そこで胚盤胞を移植できるかどうか判断します。子宮内膜の厚さが足りず、移植が出来ない場合もありますので、ご了承ください。移植が可能であれば、凍結保管している胚盤胞を融解して移植します。胚盤胞なのでだいたい5日後ですね。内膜チェックに来られた時間帯にもよりますが、概ね生理17日目か生理18日目に胚移植を行います。ここまでで質問は?」
「いえ、特にはありません。」
「移植する胚盤胞については当院で選ばせていただきます。だいたいグレードの良好な胚から順に移植していきます。ただし以前ご説明したとおり、グレードの良好な胚が必ずしも着床するわけではありませんし、染色体異常がないわけでもありませんので、ご理解くださいね。塩谷さんは、ご年齢が35歳になられたということですが、次のサイクルが初回の移植となりますので基本的にはオプションは必要ないかと思います。」
「すみません。オプションっていうのはどういうものがあるんですか?」
「胚を2個移植して着床率を上げるとか、少しでも胚が着床しやすいように胚を包んでいる膜に切れ目を入れる【アシステッドハッチング】とかですね。患者さまが35歳以上で複数回移植に至らなかった場合にご提案させていただきます。まぁどうしてもという患者さまからの強いご希望があれば初回な移植からオプションを付けることもあります。」
「分かりました。ありがとうございます。オプションはなしということでお願いいたします。」
「では薬剤等また送らせていただくので、治療の同意書等は速やかに当院まで返送願いますね。あと言い忘れてましたが、移植周期に入る前に必ずドラッグストア等で販売されている妊娠検査薬で陰性であることを確認してから移植周期に入るようにしてください。」
「はい。ありがとうございました。」
クリニックのカメラがオフになり、オンライン診療は終了した。
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