27.本当の再会

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「樹くん本当は嫌だったのに、ずっと私に付き合ってくれたんだよね……」 「すごく恥ずかしかったけど、りっちゃんにされて嫌だったことは一つもないよ」 「本当? ……樹くんが言いたくても、言えなかったことはない?」 「…………髪に触りたかった」 「うん……触って」  樹くんは私の髪を束にして毛先まで指を滑らせる。 「変わってない。昔と同じだ」 「……他には?」 「抱きしめたかった」 「うん。もっとぎゅっとして」  回された腕に力が入り、樹くんが頬を寄せる。 「……甘くて可愛い匂いがする」 「あとは?」 「たくさんキスがしたかったんだ……」 「うん、たくさんして……」  私は瞼を閉じ、踵を上げて彼がキスをしやすいように背伸びをした。  優しく、優しく、そっと唇が合わさる。しばしの時間で一度離れ、愛おしさを滲ませて何度も唇を触れさせる。  私は欲張りになり、触れるだけではもどかしくなった。 「もっと……」  私が口に出すと、グッと後頭部と腰に手が回され、身動きが取れないくらい樹くんの腕の中に固定された。    樹くんが力強く私に唇を押し当てる。私も腕を回し、彼の全部を受け止められるよう口づけを返し、どんどんお互いの呼吸が荒くなる。 「本当はたくさん君に触れたかった……」  樹くんの望むことを何でも叶えてあげたい。  望むなら私があげられるもの全て彼に差し出したい。 「……触れたいところ全部、触って……」 「でも……」 「私の体も樹くんが触って嫌な所なんて一つもないよ」  樹くんと同じ言葉で気持ちを伝える。  その言葉を合図に口づけが再開した。
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