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次々に訪れる快感を逃がせずに、自然に両腿をすり合わせてしまう。
「りっちゃん……もどかしい? もっと触っても大丈夫?」
「……樹くんなら何をしてもいいよ」
そう告げると、樹くんは切なそうに微笑みキスをくれた。
合わさった両膝が開かれ、彼の手が忍んでくる。
また悪い記憶が蘇るかもしれない。
気持ちは高揚しているのに、不安が頭を過る。
私の不安を感じ取ったのか、樹くんはキスを中断し、コツンと、おでこを合わせて私を見る。
「怖い?」
「ちょっとだけ……」
「僕にだけ集中して……。目を閉じてしまうときは僕の声を聞いていて」
頷くと、寸前で止まっていた樹くんの手が私の一番熱い場所へ伸ばされた。
樹くんは頬にキスをしながら、小さくつぶやく。
「……嬉しい。感じてくれてる。わかる? ……ここ」
彼の指が重なりを広げ、隠されていた熱い部分を優しく、すくうように撫で上げる。
自然と私の口から甘い吐息が漏れ出す。
「気持ちいいね……りっちゃんが感じるほど、僕も気持ちいいよ……」
私に語りかけながら、樹くんの指は縦に、そして回すように、その場所を繰り返し撫でる。
不思議なほど指はスルスルと滑り、時折ぬかるみに音を立てて沈む。浅く、そして少し深く。
私の入り口が柔らかくほぐれていく。樹くんは混ぜ合わせ、かきまわし、さらに溶かしていく。入口が何かを求めてヒクヒクと蠢く。
初めての感覚に戸惑い、樹くんに視線を送るが、言葉にならずに息に変わる。
樹くんは嬉しそうに微笑み、私の唇をキスで塞ぐ。
「ねぇ、僕の舌吸って」
「……ん」
樹くんが差し入れた舌を吸い取ると、唾液が伝って流れてくる。
好きな人の唾液は甘く感じるようにできているのかもしれない。
世界で一番甘い液体を夢中で啜り、それを飲み込む。
樹くんの舌を吸い上げる音と、樹くんのかき混ぜる音が静かな部屋に響いている。
いやらし過ぎて腰の奥がさらに熱くなる。
この感覚は私だけかと、薄目を開けると、樹くんは惚けた顔で私を見つめていた。
「……キスは目を閉じるものでしょう?」
「ん……りっちゃんを見てた。気持ち良くなる顔もっと見たい……もっともっと見たい」
そう言うと樹くんは私の目の前から下に体を移動していった。
「あ、あのっ……そこ……」
「何をしてもいいんだよね?」
ちょっとだけ、樹くんが意地悪に見えた。
まさかそんな所に顔を近づけるなんて思っていなかった私は、自分の言ったことを少し後悔した。
恥ずかしすぎて、両手で顔を覆うと、樹くんは小さく、ふふっと笑う。
「僕もそんな気持ちだったよ。……ね、りっちゃんの全部が見たいんだ。隠さないで……」
そう言うと樹くんは、さっきまで指で溶かしていた場所に口づけをした。
「そんなとこ……汚い……」
「汚くない。すごく興奮してる……。恥ずかしいけど、ずっと知りたかったんだ。りっちゃんはどんな味がするんだろうって……」
「やだ、そんな──」
私の言葉を待たず、樹くんは、溢れている熱い中心を、舌全体を使ってゆっくり拭い取るように舐めあげた。
強い快感に自然と肩が竦み、顎を引いてしまう。
「ここは刺激が強すぎて僕を見続けるのは難しいね。手、繋いでいよう。反対の手は……僕の頭触っていてくれる?」
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