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枕に背を預け、片手を繋ぎ、右手で樹くんの頭を撫でてみる。
樹くんは私を見上げ、うっとりとした顔で気持ちよさそうに頭を預ける。
「髪掴んでもいいからね」
樹くんが、舌の動きを再開すると、もう頭を撫でる余裕は消え、私は樹くんの髪を握りしめることしかできなくなった。
彼の舌は中心を避けて入口の周りをクルクルと辿る。舌の形を変化させ、尖らせて硬くし、緩ませて柔らかく、器用に使い分けて刺激を続ける。
中心がどんどん熱くなり、滲み出すのを感じるのに、溢れ出すとすぐに音を立てて吸い取られる。それを繰り返す。
とろけるような快感に翻弄されて、喘ぎ声が抑えられない。
だけど一番熱い部分が何かを欲しがり訴えている。
たまらないもどかしさに、樹くんの名前を呼ぶと、応えるように彼は顔を押し付けた。
溢れるものが待ち切れないみたいに、私の内側に舌が侵入する。ズボズボと出し入れし、ネチャネチャとかき回し、ジュルジュルと吸われる。
名前を呼ぶ度、樹くんの舌はさらに私を攻めたてる。
これ以上は頭がおかしくなる。
これ以上乱れたら、はしたない女過ぎて樹くんに嫌われてしまうかも……。
「もう……やめて……」
快感に抵抗し、樹くんと目を合わせると、うっとりした恍惚の表情で彼は微笑んだ。
そして口元を拭うと、樹くんは数言、何かを呟いて、嬉しそうに舌なめずりをした。
聞こえなくても、その呟きがいやらしいことなのは理解できた。
樹くんの全てがあまりにも艶かしくて、どれだけ私に夢中か伝わってきて、もうやめて欲しいとは思わなかった。
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