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王妃に相談
ご拝謁、恐れ入りましてございます。妃殿下様。
私は、ミレディに、深く礼を示してございました。
「いいわよ。そういうのは。彼と結婚する前からの間柄でしょう?私達。もっと気軽に。ね?」
栄えある学園国家アカデミーの国母、フランチェスカ・ルバリエ・エルネスト妃殿下様はおっしゃいました。
「ああ、そういえば、フェリックスはどう?殆ど、フェリックス専門の乳母みたいな立場になっちゃってたわね?」
「いかさまでございます。フェリックス様に置かれましては、私の匂いをクンクンされてから、私がおそばにいないと、泣きわめいていらっしゃいましたので」
「ごめんなさいね?何か、その頃、あの人がセントラルに軟禁されたりして、そのあと、うん。ああ、アリア?おっぱい要る?」
「うん」
ああ、今年3歳になられた次女のアリアドネ様が、殿下のお乳を。
「この子、凄い甘えん坊で、私のおっぱいから離れてくれないから。まあ――だから、ウエスト・ランドかダインクーガー辺りに。ギリリ」
僭越ながら、そのレベルの殺気を振りまく環境に、乳幼児を晒すのは、どうかと存じますが。
ちなみに、ウエスト・ランドは旧西の大陸で、その首長、エメルダ・パストーリ・エルネスト様、ダインクーガーは、魔王が創造した空中機動要塞で、中央国家セントラルの王族の一翼にあらせられる、アリエール・リトバール・エルネスト様。
どちらも、ミロードのお子を出産された、ご愛妾様にあられます。
「ミロードも、改めて、健啖家でいらっしゃるようで」
「そうなのよねー。まあいっか、って思った子以外、今も認める気はないんだけどねー?」
ああ。恐ろしい殺気が、私にも。
「思えば、フェリックス様の専用メイドになり、穏やかな性格なれど、何やら危うい王嗣様と、時を紡いで参りました。時たま、王嗣様にセクハラを受けるようなこともございましたが、それはお乳を求める乳児の習性であると思っておりましたが、ご成長のみぎりに、やがて、私のパンツに指を伸ばすようにおなりに」
「――え?」
王妃は、ご自分とミロードのご関係を、思い起こされたようで。
「そもそもフェリックス様は、普通の乳児と比べ、ご成長が、尋常ではございませなんだ。今、そのご身長は170センチに達しておられます。恐らく、いずれミロードを抜いて2メートルの大台に」
「――あああ」
王妃殿下は項垂れていらっしゃいました。
ご自分の身長は、女性にしては有り得ない長身長でいらっしゃり(およそ175センチ)、思えば、臨月の頃、私(160センチ)の肩に手を置かれたふるまいからも、それは明らかでございました。
「いえ、違うのよ?うちの人も、180までいかないけど、それに近いし」
「ならば、奥様のご身長も」
「えええ?!まあでも、フェリックス大きいものねえ?」
妙に他人事のようなことを仰っておいでで。
「3歳におなりの頃には、既に私の弱いところを完全に把握なさいまして、毎夜、添い寝の時は常にトロメス顔になった私を、確認してお眠りになるように」
あああ。王妃殿下は、暗澹たるお気持ちを感じておられました。
「その後、朝食、昼食を召し上がったあとで、午後から私を、常に弄っていらっしゃいました」
「ああうあ」
今、変な声を出されたのは、「王妃殿下午後の午睡法」が、明らかに脳裏をかすめておいでのようで。
別名、エロ王妃の子作り法と呼ばれております。
「ちょっと待って!今うちの子9歳でしょう?!それ、いつの話?!」
慌てて、王妃殿下はおっしゃいました。
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