歴史系イラスト 〜1〜

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Pray with Sword〜イェルサレム王・ボードゥアン4世〜神の国に降り立った最後の英雄 父と子と、聖霊の御名に於いて誓う。この身を病が蝕もうとも、この目が光を失おうとも、剣だけはこの手から離しはしないと。神がそれを欲したもうならばーー。Amen〜そう、あれかし〜と。0474c969-356e-40c5-8bed-2299d790c815宗教戦争、聖戦の美名のもと略奪や殺戮で何かと批判が多い十字軍の中で燦然と輝く栄誉と、高潔さを、献身をもって歴史にその名を刻んだ若きイェルサレムー神の王国ー王。 高貴なる血筋と高潔にして清廉潔白な人格、仁徳と文武の才を備えた英傑でありながら、その生涯は異教徒と当時死病と言われた癩病(ハンセン病。本邦では大谷吉継が患っていたことで有名)との戦いに明け暮れた苦難に満ちたものだった。病により日に日に弱り蝕まれてく体に鞭打って、かのイスラムの英雄サラーフッディーンことサラディンと激闘を繰り広げ、幾度となく苦杯を舐めさせた。 当時伝染すると疑われ忌み嫌われた病の持ち主でありながら、彼は絶大な人望を集め、麾下の兵士でその傍らに控えることを嫌がる兵士はおらず、戦で危機に陥った際は進んで我が身を差し出す者さえ少なくなかった。 だが、病はこの英邁な君主を確実に蝕み、体の自由を、視力を、そしてついに命を奪う。僅か24歳と言う短い人生を病と異教徒との戦いに捧げ、地上に神の国の実現を夢見た英雄王は、望まずながら天上の神の御元へと旅立った。 イェルサレムが異教徒の手に落ちるのは彼の死から僅か2年後のことであったーー。 この人はもうその存在と生き様自体が奇跡とも言える人物です。もっと知名度が上がって欲しいですね。イラストは僅か300騎でサラディンの3万の大軍を撃ち破った「モンジザール奇跡の戦い」直前で祈りを捧げる姿です。顔を覆う包帯は病で爛れた皮膚を隠すために巻いていると言う設定です
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