Sweet Pain : インスタントカメラの男

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 実は、あの日の写真がまだ実家のアルバムに取ってある。そこには、ひ弱な表情の僕がいるはずだ。  あの男は、そんな僕の中に、過去の自分を見つけたのだろうか。    もはや男とは再び会うことはないだろう。が、今なお僕が心すべきは負けないことかもしれない。  誰もが生きているかぎり、すべての道がただ登るようにできているのなら。 (了)
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