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僕は、元来た道をたどりながらコンビニを目指して、ゆっくりゆっくりと下りていった。
男女の甲高い笑い声が、少しずつ遠ざかっていく。
ため息が出る。が、特に感情はなかった。
気疲れでしんどかったのと、今やっと一人になれたからだったかもしれない。
アスファルトの道に出たところに、石段があり、その一番端に猫背でタバコを吹かす中高年の男が腰かけていた。
よれた作業服の彼の手にはタバコがあり、その足元にビールの500ミリ缶が立ててあった。
僕は思わず眉を寄せ、少し離れたところを歩き抜けようとすると、結局つかまってしまった。
「おい、坊主」
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