Sweet Pain : インスタントカメラの男

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 何も言えないでいると、男が僕のそばまで来て耳打ちした。 「一緒に行ってやる」 「あ、いや。知らない人が来たら、先輩たちがびっくりするんで」  渋ってみせたが「そんなの、関係ねえだろ?」といって笑った。  関係大有りだが、勝手についてくるものはしょうがないし、先輩らに説明するしかない。  なんで僕の周りはこんな厚かましい人間ばかりなんだろう、と辟易としてきた。  それでも他人とのあいだには変わらず、なぜだか、見た目以上の距離がある。  じりじりと汗ばむ中、僕は先輩たちの待つバーベキュー場に向かった。  男は肩で息しながら話し掛けてくる。「いいか? お、お前な……お前は軽く見られてるぞ……」  
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