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スマートフォンを取り出して地図アプリを起動する。目的地であるおばあちゃんの家までは、アプリによると徒歩15分の距離だ。
今は11時、おばあちゃんに伝えた時刻は12時。おばあちゃんはお昼ごはんを用意してくれているはずなので、12時には行かなければ。
地図アプリが示す到着予想時刻は11時15分。当然だが、15分で着くわけがない。
アイちゃんの歩く速度は、大人とたいして変わらない身長の私と比べてゆっくりだ。小さな体で、必死にトテトテと足を動かす様子は可愛らしい。
11時16分。さっそく予想時刻が延びた。
「おねーちゃ、がっこーは?」
「学校はね、夏休み。アイちゃんも幼稚園お休みでしょ、一緒」
アイちゃんの通う幼稚園の夏休みは中学校の夏休みよりも少し長いが、期間はほぼ同じだ。
「いっしょ? おそろい?」
「そうそう、おそろい」
手を繋いだまま見上げてきて、大きな瞳でコテンと首を傾げて、「おそろい?」だって。はあ? 可愛すぎない? 私の妹。
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