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「アイちゃーん、おばあちゃんち行くよー!」
母が服を着せるやいなや母の腕から飛び出して走り回り始めたアイちゃんを、玄関から大声で呼ぶ。
「ピンクの靴履こー!」
「はくー!」
元気よく返事をして廊下を走ってきたピンクが大好きなアイちゃんは、無造作に靴の中に足を突っ込んだ。
アイちゃんは、マジックテープをきっちり止めるのが苦手だ。靴が今にも脱げそうなのに、そのまま飛び出していきそうなアイちゃんを引き止めて、マジックテープをきっちり止めた。
「気をつけてね、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
「いってちまーす」
アイちゃんが母に振った手が下ろされる前に、掬い取るように繋ぐ。「お外ではおててをつなぎましょう」というルールをきっちり守ってくれるアイちゃんは、大人しく繋がれてくれた。
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