お先真っ暗な人生、受け入れます

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 披露パーティーは体調不良で新郎不在という、異例の事態。  どれだけ夫は、私に屈辱的な思いをさせれば気が済むのだろう。  王様いわく、夫は最初私との結婚に乗り気になっていたらしいが、後に撤回されたという。それでも父と私が強く第一王子の正妃を望んだため、承諾はしたというが……。    ここまで拒絶されるのは久しぶりだ。  やり直ししたこの人生のこの時点では、まだ夫に会ってもいないのに。  まるで夫は前の人生の続きをしているかのようだ。  ……ん?  まさか、夫も私と同じように人生をやり直ししているの?  それに気がついて、居ても立っても居られなくなった。  お願い、説明させて。  私、前の人生のように無能な正妃のままでいるつもりは無いの。  貴方の愛を、望んだりしないから。  国民の為に、精一杯勤めを果たすつもりだから。  だからせめて、友好な関係を築きたいの。  私は披露パーティーでのドレスのまま、王宮中で夫を探し回った。  城の中は探した、聞いた、誰も見かけていなかった。  だとしたら、外?庭?それとも北の塔?  私は北の塔に続く裏庭を、月明かりの中捜索しながらゆっくり歩いた。  日中は暑いくらいだけど、夜は肌寒い。  あれ。  これは……温室?  前の人生の時にこんな温室あったかな?  今の季節だからか、温室は屋根の部分だけ覆われていた。  興味本位で中に入ってみる。  中には青々とした葉の植物を植えた棚が、縦5列でずっと奥まで続いていた。その植物からは、長い茎が何本も伸びていた。  これ、なんだろう。  植物に詳しくない私は首を捻る。 「こんなところで……何をしているの」  急に暗闇から男性の声がして驚いた。
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