第二章・恋の発芽は時期外れ 4ー①

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第二章・恋の発芽は時期外れ 4ー①

キスするの、初めてなのに。 そう訴えたくなる程の、それは深いキスだった。 口内を舐られる淫らな感覚に、正実の神経が痺れて、ぶるりと腰にまで電気が流れた。 クチュ、ピチュ、と聞いたこともないような音が口から聞こえて、恥ずかしさのあまりに悶絶しそうになる。 やっと大介が口を離してくれた時、お互いの唇から唾液が伝うようにして糸を引いたので、その淫靡な光景に耐えきれず、大介の胸の中へ顔を伏せてしまった。 「ひゃぁぁあ!恥ずかしいっ!好きってこんなに恥ずかしい事だなんて、知らなかったぁ~!」 「……お前、マジで俺の理性を崩壊させるつもりか」 「へ?」 「そのまっさらなのに、エロそうなところが、男には堪んねぇんだよ。……今日は最後まで出来ねぇのに!」 「さ、最後?!」 「お前、今、夜中の2時だぞ?おまけに平日だから、明日、学校だろ?実家には……あ、マズイ……連絡してない」 「あ、それは兄ちゃんに会うからって言って来たから大丈夫だと思う」 「そっか。……とにかく、学生に学校休ます訳にいかないだろ?激しいセックスする時間ないし」 「はっ、はっ、激しいセッ……] 「俺、一回始めると、止められる自信ないから」 そう言って腰を引き寄せると、バスローブ越しの、大介の限界まで高まった欲望が正実の股間に擦り付けられる。 それは、正実の想像を越える代物だった。 「えっ?何、コレ!でっか!」 「お褒め頂いて、どうも」 「どうやったら、こんなに育つんだよ?」 「大きさは遺伝だろ?……いや、お前ら兄弟でも、サイズは全く違ったな」 「に、兄ちゃんの、見たのかよっ!」 「メンバーで銭湯に入った時に見たけど、流石に女が寄って来るだけのモンだったな。……それでも俺の方が勝ってるけど」 何の闘いなのだろうか。 正実は呆れ顔になったが、とにかく兄と大介が肉体関係ではないのは察せられた。 「なぁ、そしたらコレって俺のモノだって思っても良いの?」 「……お前、魔性だな。初めてのクセに、こんなオジサンをメロメロにしやがって」 「オジサンにしちゃ やたら元気だよな。下半身が。こんなに出されたら、女なら妊娠しちゃいそう、俺」 「お前には避妊出来る自信ないから、妊娠しちまったらゴメンな。……絶対に責任取って認知するから」 「何、馬鹿言ってんだよ。それより俺が妊娠する以前に、コレ、人前に出さないで欲しいんだけど。……あんまりにも、凶暴なんで」 「出さない、出さない。お前しか出さないから」 「ホント?」 「ホント、ホント」 「だ、大介さんっ!それ、駄目っ……」 結局、正実は朝まで身体中弄られ続けて、快楽でトロトロにされてしまい、午前中の授業を欠席する羽目になった。 『最後までしないって言ったのに』と大介にごねると、『最後までヤってたら翌日まで延長だったぞ』と言われ、大介の想像を絶する精力に言葉をなくす正実だった。
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