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女性不信
数時間後。
部屋からぐったりしたツインとリヤが出てきた。
ジェミニとオセロはサボって遊んでいたようだ。
「お疲れ様、ツイン」
「お前ら遊んでたな」
「へへ、どうだった?久々の授業は」
「疲れた」
それだけ言うと、ツインは椅子にぐったり腰掛けた。
「とりあえず、男性不能ではないようで良かった。不能なら、この集落で男は生きていけないですから」
リヤは淡々とキツイことを言う。
ジェミニはぐったりしているツインに何やら念じる。すると魔法で涼し気な風が起った。
「あー気持ちいい…」
「ふふ、いいでしょ」
ジェミニは優しい顔でツインの頭に風を当てる。
「ジェミニ、そうやって甘やかすから、ツインが女性よりジェミニのほうが好きになって女性不信になるんですよ」
「はっ!?」
リヤの言葉をきいて思わずツインはリヤを睨んで椅子から腰を上げる。
「ジェミニ関係ねぇねぇだろ。てか、女性不信とか何だよ」
「す、すみません。軽い冗談のつもりだったんですが…」
あわててリヤが答えるが、ツインは「帰る」と一言だけ言って家を出て行ってしまった。
「リヤ兄は顔が真面目だから冗談に聞こえないんだよ」
オセロが非難するように言う。
「まあまあ。オセロもリヤに意地悪いわないの」
ジェミニはオセロを咎める。
その時、ロミオが「喧嘩かぁ?」とのんびりした口調でやってきた。
「今ツインが凄い顔で出ていったけど」
「すみません、僕のせいです」
リヤが小さく手を挙げて説明する。ロミオは険しい顔をした。
「あー、女性不信とか、あんまり人の性的な揶揄は冗談でも良くなかったな」
「反省します」
「まあそれだけでも無さそうだが」
チラリとジェミニを見る。
ジェミニも、肩をすくめた。
「なんか、僕のせいも多少ある感じ?ちょっと追いかけてくる」
「いいよ、ほっときな。昼飯でも食べてからでもいいだろ」
ロミオの言葉に耳を貸さず、ジェミニも行ってしまった。
「何ていうか…リヤが言いたくなる気持ちもわかるな…」
ロミオの呟きに、「そうでしょう」とリヤは少し諦めた様な返事をした。
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