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朝、電車に乗って学校へ向かう。
いつも通りだ。
いつも通りなんだ。
・・・。
今日も、同じ電車に風乃さんが乗っていた。
いつも通り、スマホをいじりながらタバコを咥えている。
でも、火はつけてない。
そこはちゃんと守る、どこか不思議な人だ。
一度だけ、係の関係で話したことがあった。
その時は、ちょっと口調が怖かったけど、適切な判断や提案ができる、すごい人だと感じた。
でも、それ以上はしらない。
ガタンゴトン ガタンゴトン🚃
私と風乃さんは、2人で少し距離を取ってつり革に手をかけて電車に揺られている。
電車の中はとても狭い。
つまり、いわゆる密室状態だ。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
足がガタガタと震えだす。
次の駅で、電車が止まったときが、今日の地獄の始まりを表す。
どうか、電車が止まらいでほしい。
このまま走り去ってほしい。
少しずつ、電車がブレーキを掛け始める。
奥の方に移動したいけど、人が多すぎて通れない。
ただただ、黙って立ち尽くすしかなかった。
プシューッ
電車が完全に停車した。
私はなるべく視線を下に落とす。
すると、扉の方から女子たちの大きな声が聞こえてきた。
「そうだよね〜ww」
「え?それマジ?ウケる〜〜ww」
「あたしもやってみようかな〜ww」
マナーを知らない子供のように、その声量のまま、電車に乗り込んできた。
愛真 見歌率いるいじめっ子グループ
カミアイ。
たしかそれがグループ名だった。
あのグループは、弱い女子をいじめて楽しむだけの集団。
それの被害者は、もう私一人だけになってしまった。
もうって何って?
今までにあのグループは何人もの女子を自殺に追い込んでる。
だから残っているのは私だけ。
皆、先に向こうに行ってしまった。
私も連れてってほしかった。
自分一人で死ぬのは嫌だ。
少しずつ、私の方向に声が近づいてくる。
気づかれませんように。
ポンッ✋
肩に手を置かれ、
?「ねぇ?」
話しかけられた。
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