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「話しは終わったし、そろそろリビングに戻るか」
「えぇ、そうですね。何だか喉が渇いてきたところですし。あぁそうだ、優ちゃん(優人の事)に誘われてて今度の休みに今話題の“超ゴジィラ”の映画を観に行く事になってるのですが、もしご都合宜しければ椿君もご一緒にいかがですか?」
「!…その映画、予告を観て後で俺も観に行こうと思ってたんだ。ぜひ一緒に行かせてもらおう」
「ふふっ、良かった。今度の休みも賑やかで楽しい週末になりそうですね」
……楽しい…ね。仲が良くて毎日幸せそうなのは良いけど、俺はいつまで背後霊の仕事してりゃ良いんだか…トホホ。
……ーーーそろそろ団子屋だって復活しただろうと思って3人でリビングに戻ると 部屋に流れる軽快な音楽の音に混ざって「うわあ〜〜〜ん!!返してよ〜!!」と学園長の泣き声が聞こえてきた。あんまり気にならないのかにこにこしてる季優の隣で椿の方は分かりやすくめんどくさそうな顔をしていた。きっと喋ってる俺も今、椿と同じ顔をしてるに違いない。
つい数時間前まで散々学校で歌ってた奴らがリビングで“出来上がった”教師陣達と一緒にイエイイエイ!!とジャンプしたりタンバリン叩いたりしてまたカラオケ大会を始めて盛り上がり始めてしまったところにタイミングよく戻って来てしまった事に後悔の念が心の中をぐるぐる漂い始める。
本当にこいつらカラオケ好きだよな…。
「こいつらどれだけカラオケが好きなんだ…」
椿が同じ事言ってる。多分俺 今生きてて季優と同い年だったら椿と親友になってた自信あるわ。
「この長い長い下り坂を 君を自転車の後ろに乗せて ブレーキいっぱい握りしめて ゆっくりゆっくり下ってく〜♪」
座り込んで泣き喚く学園長を横に 酔っ払った薬袋と薗部に捕まった優人が仲良く肩を組まされてマイク片手にゆずの“夏色”を熱く熱唱させられている。
「ゆうちゃんかっこええで!!」と巫が手を叩いている。
「愛内君こっち向いて〜!」と宝来まで巫と花巻と一緒に手を振って楽しんでる。あいつ意外とノリ良いよな。
日下部はどっから持って来たんだあの団扇?
しかも優人の応援してるくせに団扇に“フミヤく〜ん♡”って書いてある。あれ史子が藤井フミヤのライブにいつも持ってってるやつに間違いない。
愛原によるLISAの“一斉喝采”、姫小松によるYOASOBIの“夜を駆ける”、虹川ちゃんと史子による美空ひばりで“川の流れのように”、団子屋による大橋純子の“シルエット・ロマンス” 、DA PUMPで“P.A.R.T.Y. 〜ユニバース・フェスティバル〜”、緑黄色社会で“Mela!”、DISH//で“猫”、藤井フミヤで“ TRUE LOVE”などなど歌われて行く中………………
…ん!?
何か今どさくさに紛れて本人出てなかったか!?きっ気のせいだよな?なぁ!?…
あっ、まぁそんなこんなで歌われてく中「どれ、私も歌うか」と突然黒羽がマイクを持ってテレビの前に立った。
「えっ!?麗花大丈夫なの!?貴方童謡しか歌えないじゃないの!!」
そうなの!?大丈夫か黒羽っ!?
「くっ黒羽パイセン!不安なら花巻パイセンが一緒に歌ってくれるってよ!!」
「どぅえぇえぇ〜〜〜!?」
おい服巻、その驚き方だとそこでマイク取り上げられてえんえん泣いてる学園長と一緒だぞ?
「大丈夫だ、安心しろ!皆が知っているクリスマスの曲を歌うから任せておけ!」
あ、なんだ…“よいこの童謡ベスト”のCDに入ってた“ジングル・ベル”歌うのか。あ〜良かった…!ほら 同級生達も皆揃ってホッとしてる。
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