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「仲良ぅするって決まったから仲良しの証にあんたはんに良ぇ仕事紹介したるわ」
「俺あんたに会ってから一度も職探しに困ってるんですよねって言った覚えないんですけど」
「あぁ俺な、こう見えてモーニングワークってとこで仕事を紹介する仕事してんねん」
人の話しに耳を傾けない奴がそんな仕事するんじゃない。今すぐ辞めろ。
「仕事の話しなら俺今 天国花屋で働いてるんで間に合ってます」
「俺なぁ、今推してる職業、略して“推し職”っちゅうのを比較的若い奴らに紹介して回ってんやけど……、あぁ!俺の推し職ってのは下界で生きてる人間の後ろにひっ付いて弱らせて、隙を見つけたらすかさずその人間を死に追いやって嫌だって言っても泣きながら駄々こねても勝手に死んだのはあんたの責任なんやから黙って働けやって言い聞かせて永遠に神様が居る天界城で働かせるって言う穏やかな職業の事や。それを表では推し職って呼んでて…」
下界でよく聞く良い子はやってはいけませんって言うヤバい職業じゃねぇかソレ…。
「めっちゃクリーンな仕事なんやけど どや?やってみぃひん?」
「めちゃくちゃブラックな仕事じゃねぇですか。やりませんよ。だってそれもうはっきり言って反社じゃん」
「えー?違う違う!そんな危っかしい仕事 違うって…あっ!!」
胸の前で両手を振った瞬間 裾が捲れて香月さんの両腕に何かヤバそうな臭いがするド派手な花柄の刺青がこんにちわしてきた。
間違いない。香月さんは確実に反社の社員だ。良かった、さっき仲良くしようって言われた時にノリで こちらこそ! 何て返事しなくて…。
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