背後霊、幽篁幽々子の珍道中

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「……ゆゆ」 「ゆ、ゆゆ?」 「あんたはんの事や」 「は、はぁ…」 あぁ、幽々子だから“ゆゆ”ね。今度は何言い出したかと怖くなってついファイティングポーズでがっつり構えちゃったじゃん。どうしてくれんだよ この無駄に前に突き出しちまった行き場を無くした2つの拳…。 「俺の正体を知ったからには…」 まさか 生かしておくわけにはいかない とか言う気か?幽霊ってこれ以上どうやって死ぬんだよ? 「やっぱ俺と仲良ぅなっててもらなあかんわ!」 「なんでやねん」 しまった…。ついつられて東北人なのに関西弁でツッコんじまった。 「あんたはん男やけど顔めっちゃタイプやねん。せやけど恋人になりたいとかそんなん1ミリも思わんわ。何故なら俺は女が好きやからや」 だろうね、あんた男だもんな。奇遇だな、俺もあんたと同じだよ。でもあんたの顔は好みじゃないけど。 「生きてた頃はピンクレディのケイちゃんがタイプやった」 「俺ミーちゃん派です」 …しかしこいつマジでさっきからアホな事しか言わないな…まさか俺の事からかってる?…いやまさかな…まさか…。つうかやべぇな、やっぱ香月さんと俺 同級生かもしんねぇぞ…。
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