背後霊、幽篁幽々子の珍道中

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「…あっあれっ!?何で足……っ!?って言うか何かあれっ…」 身体が見えない何かで力強く下に引っ張られてるような感じがする…。これは…何だ? 「このスイッチな、一回押してまうとランダムで当たった地上で生きる人間に強制的に取り憑いてまうねんっ!!つまりあんたはんは、今から誰かの背後霊としての仕事が始まってまうって事やねんっ!!」 「なっ…!!なんだそりゃっ!!?ふざけん………うわあぁあぁーーーっ!!!」 その後の事はあまりよく覚えていない。 ただ次に目を覚ますと俺はこの季優(きひろ)と言う 金髪に両耳ピアスのパッと見ヤンキーみたいで性格は見た目と正反対の穏やかでど天然だったギャップが凄まじ過ぎる少年の背中にぴったりくっついていたのだった。               ……ーーー香月さんから背後霊の仕事内容はザッと聞いてはいるが、季優の様子をこいつの背後霊になった文化祭の時からずっと見ている限り季優は全く死にそうにない。 むしろ華道の家元の名高いお家のボンボンだから 生まれて初めて私立じゃないごくごく普通の公立の学校に入って 毎日が初めて体験する事ばっかりだから毎日が新鮮で楽しすぎて いっつも笑っている。 しかも…この学校…季優の背後霊になって付いて歩きながら知った事だが、超ポジティブで陽気な馬鹿とアホしか居ない!!毎日お祭り騒ぎで 今日だってライバル高と合同で学校の(おさ)(花澤学園長)の自宅で打ち上げと言う名のカラオケ大会をおっ始めている。 普通はこんな事やんねぇだろ まったくもう…。何なんだよ、こいつら!
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