8話

1/1
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

8話

  ※過激表現がありますのでご注意ください 夜。エリアス様とキェーマ様が三階でしているのが、五階まで伝わってくる。それだけなら、まだ、まだかろうじてがまんできたかもしれないのだけど……、一つ問題が。 「フェルリナ姫ぇ~!」 こうやって、エリアス様がなぜか私の名前を呼ぶの。やめてー(泣) 「バカだあいつ」 と言いながらゼイツ准将(じゅんしょう)がドアを開けた。 「フェルリナ、ソーセージ食うか?」 「キャーーッ!」 准将(じゅんしょう)が入ってきて、私は悲鳴をあげてしまった。 「何叫んでんだ?」 「だってノック、ノックしました?」 「ああ?」 超ふつうに部屋に入ってきたんですけど! ゼイツ准将は、お腹にバナナやソーセージを抱えていた。シャワーを浴びたみたいで、白い長そでシャツに着替えている。 「腹減ったろ。飯もってきたから食えよ」 「どうしてエリアス様、私の名前呼ぶんですか?」 「さあな」 ゼイツ准将がサラミを咥えて、床にあぐらをかく。正直食欲ないけれど、せっかく持ってきてくれたので私もバナナを一本、手に取ってみる。食べ物の中に、いじわるなかおをしたピクシーの絵箱があった。 「トランプも持ってきたんですか?」 「何かやってた方が気が紛れるだろ。下うるせーし」 ですね。私は苦笑いした。 エリアス様たちの声きいているの限界だったから、これはうれしい。私はカードの箱を手に、ゼイツ准将と向かい合わせに座った。 「何を賭ける?」 ゼイツ准将が私の手から箱をとりあげる。 「人間の人って、こういう時お金を賭けるんでしたか?」 「金や物だな。妖精はちがうのか? 何賭けんだ?」 「秘密です」 「……」 「あ、ナイショって意味じゃなくて、秘密にしてることを賭けるんです。ゲームの前に、相手に話させたい質問をして、ゲームをして、勝ったら答えを聞き出せるんです」 「へえ」 彼は面白そうに口の端を笑わせた。 「いいな、やろうぜ」 「はい……」 まずいこと言っちゃったような。 妖精のことに興味もってくれたから、ぺらぺら喋っちゃった。どうしよ。自分から提案しておいてやめようなんて言えないし……。けど私はもう、一番知られたくない持病のこと知られちゃってる。これ以上恥ずかしい秘密なんてもってない。だから、平気だよね? 「んじゃ一回戦。フェルリナの質問は何だ?」 何だと言われても、私たちは知り合ったばかりだ。 「うーん、その前にフルネームきいてもいいですか?」 「ゼイツ・ウウ・ドライヴランド」 「えっ? ドライヴランド?」 ドライヴランドっていうのは、希少な戦闘民族の国だ。凄い強いんだって、幼馴染が真似していたから知ってる。 「ああ」 「じゃあ、ドライヴランドについて教えてください」 「いいぜ」 へええぇ、ゼイツ准将、そうだったんだ。あの時の幼馴染みたいに、私も目を輝かせて彼を見る。 すぱすぱと4枚のカードを配り終えたゼイツ准将は、残りのカードをおいた。 「俺の質問だが」 「はい」 目が合った。 「フェルリナは一人でシたことあるのか?」  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!