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給湯室で コーヒーを淹れて まだ食事をしてない ふたりへと軽い軽食を準備して会議室へと向かう。 「……5年か」 「そうですね。急になんの相談もなく、仕事を選んで俺を捨てて海外転勤して5年です。」 「相変わらず、嫌味な言い方。でもそっか。そうだよね……5年も経てば正樹も立派に成長して当然よね」 ふと 聞こえてきた ふたりの会話に思わず 会議室のドアをノックする手が止まる。 やっぱり 正樹さんと 近藤さんは付き合ってたんだ…… ……わかってはいた。 私だって馬鹿じゃないんだから あのふたりの雰囲気を見ていたらなんとなくわかっていた。 でも こうやって 実際に 彼の言葉で聞くと 過去の話だとわかっていても 胸の奥がモヤモヤとしてやるせない気持ちになる。 .
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