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私と出会う前の
彼の過去にまで嫉妬するなんて
私って
こんなにも
独占欲強かったんだ……
「で、正樹。最近恋はどうなの?」
「人に聞く前に自分のことを言ったら?」
「……幸せだったら、日本に戻ってきたりしないんじゃない?」
「何、俺のこと恋しくなった?俺を捨てたこと、後悔した?」
……嫌。
これ以上聞きたくない。
気づいた時には
逃げるようにその場から走って離れていた。
もう、ダメだ……
人気のない非常階段につくなり
力なくその場へと座り込み声を押し殺して涙を流した。
無敵の
大丈夫の呪文も
効力がなくなってしまった今
私は何を糧に頑張ればいいんだろうか……
企画が完成するまで
近藤さんはこっちにいるって言っていたのを聞いた。
私はその間
どうやって自分を保てばいい?
こんなにも
胸の奥が苦しくて
苦しさのあまり息をすることすら
忘れてしまいそうな気持ちも、恋も、初めてだ。
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