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ブーブーブーブ。 ポケットの中で スマホが短く震えた。 画面を確認すれば 正樹さんからメッセージが届いていた。 "差し入れありがとう" あんな状況でも無意識に ドアノブに持っていた軽食をかけていた私。 そして その 軽食に気付き 名前も書いてないのに 私だと気づいてくれた正樹さんの優しさが なぜだか今の私には余計に切なさと悲しさを増長させた。 どうして 追いかけて来てくれないの? そんなことを相手に 求める私は面倒くさい女なのかな…… 涙を拭い 正樹さんへと返事を返さずに 私は必死に気持ちを切り替え職場へと戻った。 .
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