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次の日。 「おはよう」 「おはようございます……」 仕事の 準備をしようと 席に座った瞬間 王子様モードの正樹さんが私の元へとやって来た。 顔はいつもと変わらずに 笑っているけれど目だけは笑っていない。 「少し時間ある?」 「……すみません。朝イチで主任に報告書提出しないといけないので……え、あっ!」 顔を 見ないように あくまでも 平常心を保ちながらそう答えれば 正樹さんは何も言わずに無言で 私の手を掴み強引に私を立ち上がらせ部署を出ていく。 「あ、美織おはよう」 「きみちゃん、助け」 「おはよう君島さん。悪いけど美織少し借りるね?」 「どうぞ」 きみちゃんに 助けを求めたけれど 助けるどころか笑顔で送り出されてしまった。 .
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