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「昨日、何で先に帰った?」
倉庫につくなり
後ろには壁
前には正樹さんがいて
逃げ場のない私へとそう聞いてきた。
「すみません……体調が悪くて……」
「じゃあ、何で何度連絡しても電話に出ない?昨日も今朝もずっと」
「充電が切れて」
私の
話を聞くなり
胸ポケットから
スマホを取り出し操作するなり
私のポケットの中のスマホが小刻みに揺れた。
「何で俺の顔見ない?」
「別に、そんなことないです……」
そう
答えながらも
私は下を俯き
正樹さんの顔を見ないようにしていた。
今、見たら
多分、泣いてしまう気がして
今だって
なんとか溢れ出そうな涙を
必死に堪えて平常心を装っているだけなのに……
「……仕事、大丈夫なんですか?近藤さん、待ってるんじゃないんですか?」
「は?お前、何言ってんの?今はどう考えてもお前が最優先だろ。」
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