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そう言われて
こんな状況にも関わらず
嬉しいなんて思ってしまう私がいて。
正樹さんが
私へとくれる言葉は
私を幸せにして
嬉しくもさせてくれる代わりに
同じくらいにどん底へと突き落とすこともある。
相手のことが好きだからこそ
そんな些細なことに一喜一憂して浮き沈みを繰り返す。
「……俺のこと、避けてる?」
「……」
「美織、言ってくれないとわからないだろ?美織が不満に思うことがあるなら、ちゃんと俺に言えよ。黙ってたらわからないし、解決しない」
言ったら
悩みは解決するの……?
それとも
言ってしまったら
私たちの関係は終わってしまうの……?
下を俯いたまま
頑なに目を合わせない
私に痺れを切らした正樹さんに
顎をグイッと持ち上げられ強制的に視線を合わせられた。
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