セリヌンティウスは走らない

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第四場面 (セリヌンティウス人質生活2日目) 刑吏 一睡もできなかった… セリ よくねた。 刑吏 まじかお前。 セリ まじ。 刑吏 お前ってさ、メロスとかいう奴あんま信用してないみたいだけど、意外と王に捕まってる割に能天気だよな セリ そうかな。 刑吏 そりゃそうだろ。私だって前にディオニス様に逆らったアレキスっていう奴を処刑してるのにも関わってたけど、とても前は賢かったとは思えない振る舞いだったぞ。 セリ うーんそうかな。でもそいつってさ、死ぬって確定してたからそんな感じだったんじゃない?私もアキレス?だったら死ぬほど命乞いするよねー。 刑吏 メロスってどんな奴だったんだよ、お前の話聞く限りただのやばい奴にしか聞こえないけど。 セリ まーそうだよねー。うーんでもあいつさあ、身勝手だし短気だしだけど、それでもまあ私が関わり続けたのって、何やかんや約束やぶらなさそうな奴だったからだと思うよ? 刑吏 変なの。理解できんな。 セリ 嘘つき、ほんとはメロスみたいに人をまっすぐ信じられる人になりたいんだ。 刑吏 …そうかもなあ。 セリ たぶんあいつ、今だって私のために走ってくれてるに違いないさ!
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