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第二話
「おいおい……売店の爺さん、倒れたってよ。」
「え!ほんと?」
「本当だって。」
「うっわぁ!まじか!まだ世話になった分返せてねぇって!」
「ちょ、声デカいから。」
「わりぃわりぃ。」
「大変!売店のお爺さんが吐血したって!」
「え!」「ほんと!?」「やばくね?」
「急いでタオルとか持ってきて!売店前集合!」
「わかりました!」「了解!」「わかった!」
気がつけば眠っていて、目を覚ましたときには何かがあった後だったようだ。
廊下がうるさくなかなか眠れない。
体を起こし、視線を餌入れに移すと、いつもより少し多めに入れられていた。
今の時間は……だいたい午後11:00といったところだろうか。いつもは6:00くらいに食べているから、お腹が空いてたまらない。
寝起きなこともあってふらつく脚は気にも留めず、餌入れに近づいて、いつもと同じ鹿肉に食らいつく。
特に美味しくもなく、不味くもないけれど、好んで食べたいとは思わない―――そんな味だ。
それでも夢中で食べているのは、きっと、生物としての本能がそうさせるのだろう。
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