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死んでしまった!
僕はミゲル。
魔界という、いわゆる悪魔たちが住んでいる世界で、魔王軍の一人として戦っている。
……待って待って、帰らないで!そんなに悪い人たちじゃないんだよ!みんな笑顔が眩しい、普通の青年って人ばかりなんだ!
みんなお揃いの軍服を着て、毎日訓練に励んでいるんだよ。
ま、まぁ、僕たちのグループは……ちょっと問題児ばかりだけど……。でも、楽しいよ!
それに、魔王様もなかなかロックな人で、誰が相手でもまずは戦って、背中を預けるに値する人だと分かれば軍に入れていく。そんな人だったんだ。
笑顔が豪快で、体も大きくて、でも優しくて。
あぁ、僕もそれくらい体が大きくて、大口を開けて笑えるような人になれたら良かったのに。
僕の体は小さいけど、魔法の力はすごいんだよ!誰も追いつけないってみんなが言ってくれてる。炎と風、同時に扱うなんてことは簡単なのに、みんなできないって言うんだ。
なら、生活魔法はどうだろう?
洗濯物をバサバサと動かして、物干し竿にかける。
落ちそうになったお皿を、割れないような力加減をした魔力で覆って、置く。
一番神経を使うのは、雑誌や本のページ、1ページ1ページをめくることかな。ちょっと間違えたら2ページめくっちゃうんだもん。
あとはトランプの整理かな。AからKまで、色ごとに揃えるんだ。
……これ、僕が生活魔法を伝授した彼が「一番大変だった!もうやりたくない!」って言ってたやつだね。
…………うーん、やっぱりみんなとは違うんだ。
でも驕ったりはしないよ。
モフモフしっぽ。うらやましい。
何でもできる天才肌。うらやましい。
いつでも笑顔でいられる。うらやましい。
僕が持ってないもの、みんな持ってる。
それをみんなで協力して、それぞれが持ち寄ったら最強になれるんじゃないか?って思いながら、いつもみんなの側にいる。
実際そうだ。
──僕たち『魔王軍』は、最強なんだもん!
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