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「ミゲル!そっち行ったぞ!」
赤いモフモフしっぽのアスターが振り向きざまに僕に指示をする。
「水よ!」
飛んできた幽霊に、水の魔法を当てた!
「キィエエエ!」
幽霊は突然現れた水の柱に驚き、進行方向を変えた。後ろにはアスター、前には僕。ならば移動するのは──僕から見て、左!
「逃げられると──思ったか!!」
「「うわっ!!」」
──バリバリバリバリ!!!
僕から見て“右”にいた黒い髪で色白のグドーが、右手を前に出して黒と紫が混ざった電撃を放った!
「ア゛アアアアアア!!!」
白い光を放っていた青白い幽霊は、喉が張り裂けるんじゃないかと思えるような声を上げ、浮いたまま感電する!
そのままビクビクと痙攣したあと、墜落するかのようにフラフラと地面に近付き、そのまま消えた。
「よし」
僕とアスターの間を駆け抜けた電撃を放った張本人は、手を払った仕草をして次の獲物を睨みつける。
向こうではエメラルドグリーンの剣を持った金髪のシャレットが、あちこちに走り回りながら幽霊と敵対している。しかも2体。グドーはそれを見て、頭を抱えた。
「はぁ……。おい!シャレット!そんな無駄な動きをしていたら、あとの体力無くなるぞ!」
「よっ!ほっ!はっ!大丈夫大丈夫ー!ダメージさえ受けなければ、どうにでもなるって!オラオラー、鬼さんこちら!へっへーん♪」
攻撃を受けそうになると、刀身を自分の前で斜めにしてガードしている。もう、シャレットってば……。侵食型ならとっくに死んでるよ!
「まったく……。ここ、任せてもいいか?」
「うん!もちろんだよ!ここは僕とアスターに任せて!」
「シャレットが大事なんだろ。行ってこいよ」
アスターも獣の耳をピコピコとさせながらグドーの背中を押した。
さすがのグドーもアスターにまで言われるなら……と、頷く。
「助かる。お互い、頑張ろう!」
グドーはとても爽やかな笑顔を浮かべ、走っていった。
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