タイムトラベル規則に気をつけろ

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ふと気がつくと、周りには、机に座っている者達がいて、自分達はその中心にいた。 「タイムトラベル規則違反で回収させてもらいました」 辺りにいる者からそう聞いた人達の何人かが話し出す。 「いや、自分達は、タイムマシンで適当な時代に行って、キャンプをやろうとしてたんですけど、いけませんか」 「あのですねえ、ぼく達が来たのは、旧暦の皇紀元年の1月1日、すなわち今から2600年前の紀元前660年の2月11日、その2日前です。その日は、伝説では神武天皇が即位したと言われています。まあ、あくまで伝説で、その日を建国記念の日にする事に反対する人達もいるけど、どうするかは個々人の自由ではないですか」 「ちょうど橿原神宮のあった所で、だけど行ってみたら何もなくて、即位自体はずっとのちにあったみたいで、それでもキャンプをやるには適当な所だったんです。終わったらゴミとかはちゃんと持ち帰る事にしていますよ」 「建国と言われている日時の少し前だからそれにふさわしい歌にしたんですけど。日本の建国をあけぼのとか夜明けとかと言いません?」 「そういった事ではない」 机に座っている1人が説明を始める。 「今度タイムトラベルにおいて新しい規則が制定された。その時代に存在しない概念を発言するといった事を禁止する事にしたのだ」 「え、聞いてないよ。ていうか、前もって調べてなかったの?」 「ごめん、忘れてた」 「だけど、ぼくらの歌ったのは替え歌だよ」 「同じ事だ。その時代に存在しない歌を歌う事もいかん。替え歌も同様だ。というわけで、罰として君達は・・・」 「東南アジアのどこだっけ、その国ではどうなんだろ」 「知らねえよ」
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