おしまい

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おしまい

昔々、とある国の王様が言いました。 「皆が、余のために健康で寿命が伸びる薬を作ってくれたのはよいが、どれが効いたのか、本当に効いたのか、すぐにはわからないな」 今気づいたんかい、と臣下は思いましたが、王様は自分のために皆が頑張って考えてくれたことに喜んでいたので、いい君主に仕えられたことを誇りに思いました。 その国の魔法使いだけではなく、隣の国も、そのまた隣の国の魔法使いも、もちろんたくさんの国民にも、のびのびと暮らせるようにしよう、と王様は心に誓ったのでした。 その国の山奥のそのまた奥地に、かつて宮廷魔道士だった魔法使いが住んでいました。権力争いとか人間関係が面倒くさくなって、さっさと引退して山奥に引っ込んでいたのですが、彼を慕う弟子と出会い、前よりしあわせに暮らすことになりました。 「あほか、自分の家に隕石落とす奴があるか!」 「怒らないでって言ったじゃないですか!」 弟子は張り切りました。はやく一人前になって、師匠を見返して、ずっといっしょに隣でのんびりと笑っていきたい、と願いました。
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