再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです

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「千夏があまりにも可愛かったから意地悪してごめんね」 「だ、大丈夫です」 両手を壁に押し付けられて、逃げられないように拘束されながらイジワルされて普通なら嫌なはずなのに…。すごく興奮した私はどうかしてるのだろうか。 なんなら、もっとイジメてほしいって思った。自分でも気付かないうちに藤堂さんのことを前よりも好きになってる。あぁ、スパダリ社長って怖い。 最近の女子高生は推し活をしてるらしいけど、私が沼っているのは間違いなく藤堂さんだ。決して認めたくはないけれど。 「そろそろご飯にしようか。ほら、席に座って」 「ありがとうございます」 藤堂さん自ら椅子を引いてくれて私は座った。お姫様扱いされてるみたい…。けど、社長にこんなことさせていいのだろうか。 「俺もあまり料理は得意じゃないから、今回は専属の料理人に作ってもらったんだ。千夏が好きな分だけ食べていいよ」 「い、いただきます」 専属の料理人がいるってやっぱりお金持ちは凄い。藤堂さんは私が知らない世界を教えてくれる。 生涯で私みたいな体験をする人は何人いるのだろう。私はごく一部の人間なのかもしれない。 タワマン最上階に恋人と同棲して、寝心地の良いキングベッドで寝て、専属の料理人が作るフレンチトーストを食べている。 これは夢? 実は目が覚めたら私は一生寂しい独身生活をしていたり? なんて考えていたら、「千夏」と名前を呼ばれた。
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