再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです

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「俺が藤堂ブランド化粧品の社長だってことは昨日話したよね」 「はい」 「そんな俺が千夏を今よりももっと輝かせてあげる。さぁ、目を閉じて」 「は、はいっ」 「肩の力は抜いて。楽にしていいよ」 頬に藤堂さんの手が触れた瞬間、思わず力が入ってしまった。恐怖からじゃなく、緊張からだ。あまり化粧をしない私にとって、誰かに化粧をしてもらうだなんて貴重な体験だ。 それがまさかブランドの化粧品を売っている社長自らの手で綺麗にしてもらえるだなんて…。いつも藤堂ブランドを愛用しているファンからしたら失神レベルで喜ぶに違いない。 私は藤堂ブランドなんて使ったことないのに。少しだけ愛用しているファンに罪悪感を感じてしまった。だが、これは藤堂さんの恋人だからこその特権だと思うと落ち込んでいた心が一瞬にして踊った。
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