再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです

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「買ってあげるよ」 「え!? それは藤堂さんに申し訳ないです。私も働いてるんですから自分の欲しいものくらい自分で買えます」 つい見栄を張ってしまった。まわりからはさぞ私が悪女に見えるに違いない。社長である藤堂さんに貢がせようなんてしてないですよ〜…と心の中で弁解していた。 「それなら恋人からのプレゼントってことなら問題ないよね?」 「オネダリしたみたいですみません」 「千夏は俺の恋人なんだから可愛くオネダリしたっていいんだよ。なんなら毎日だって甘えてくれたっていい」 「っ…あ、ありがとうございます」 爽やかな笑顔を向けながら、ウサギのTシャツをレジに持っていく藤堂さん。会計は当然ながらクレジットカード。スマートに支払いを済ませる姿さえも見とれてしまう。 よく見るとクレカもブラックだし…。たしかブラックカードって年収一千万以上ないと持てないんじゃなかったっけ。藤堂さんの会社なら年収がそれくらいあっても不思議じゃない。
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