再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです

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「どうでしょうか?」 薄いピンク色のロングドレス。足が出ないからまだマシだけど、こんなことならダイエットしておくべきだった。と、今更後悔しても遅いけど。 ほぼ肩出しっていうのも恥ずかしい。私って年齢のわりに色気ないし。こういうドレスはもっと大人っぽい女性が着るものなんじゃ…。 「凄く綺麗だよ」 「っ…!」 藤堂さんの言葉を聞いたら、むしろこれでいい! ってなっちゃった。私ってばなんて単純。 自分に似合うか似合わないかは二の次。好きな人が褒めてくれる服が自分にとっては一番嬉しいから。 「本当は何着か着てほしかったんだけど今のが一番似合ってるから今日はこれにしようか。いいかな? 千夏」 「お金なら後で払いますので…!」 咄嗟にあるだけを財布の中から出そうとするも、藤堂さんに手を握られ止められてしまった。 「食事に誘ったのは俺だよ。だから、こっちが出すよ。貴重な千夏の時間を使わせてもらうんだからドレスくらい安いものだよ。だから甘えていいんだよ」 「ありがとうございます」 貴重な時間を使うっていうなら藤堂さんだってそうなのに。むしろ社長の時間を私が使うほうがマズいんじゃ…。 私が財布を出すよりも先に藤堂さんが支払いを済ませてくれる。こういう人こそスパダリって言葉が相応しい。 これだけのものを買ってもらったんだから私もなにかお礼がしたい。藤堂さんが喜ぶものってなんだろう? 藤堂さんはお金持ちだからなんでも手に入るよね…。う〜ん。難しい、な。
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