再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです

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「でも千夏さんも悪いんですよ」 「え?」 「俺を拾って間もない頃に男性のタイプを聞いたら、自分と同じくらい収入が安定してる人が良いとか、自分は家事が得意だから専業主婦が良いとか俺の前でいうから」 「あれは冗談に決まってるでしょ。今時、専業主婦で暮らしていける女性なんているわけない」 「今の俺だったらできます」 「へ?」 「千夏さん好みの男になったから…だから千夏さんの前に現れたんです」 「私は貴方のせいで次の恋愛にいけないのよ…どうしてくれるの?」 押さえていた感情が溢れだし、涙が零れ落ちた。 「そんなに俺のことを想ってくれていたなんて嬉しいです」 「っ」 再び抱きしめられた。嫌なはずなのに。拒絶して突き放せばいいのに…。どうして出来ないんだろう? 鼻をくすぐる柑橘系の匂い。出会った頃とはかなり変わってしまったけれど、一つだけ変わってないところがある。 「千夏さん、大好きです」 私を惑わす甘いマスク。これだけは昔と何も変わっていない。この笑顔に私は堕とされ、昔もキス以上のことをしたっけ。 辛い思い出ばかりじゃない。楽しい思い出だってある。中には思い出したくないほど恥ずかしい記憶だって。 「聞いてください千夏さん」 「なんですか?」 「俺と結婚前提に付き合ってください」 「え…えぇ~!?」 両手を握られたと思ったら、婚約指輪を私の指にはめる藤堂さん。私は突然のプロポーズに開いた口が塞がらなかった。
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