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「それは俺が悪いので気にしてません。俺こそ急にいなくなって、すみません」
「っ…」
「千夏さんがカッコいいと思えるような男性になるために俺も必死だったんです。社長になった今なら千夏さんと釣り合えると思って、結婚の話をしました」
「釣り合えるどころか、むしろ私のほうが下だし…」
いつまでもスーパーのバイトじゃ生活できないと思って必死に勉強して、国家資格である保育士資格をとって、保育士になったけど…。私が本気で努力しても藤堂さんみたいにはなれない。そりゃあ保育士の勉強も難しかったけど。
「保育士だって立派なお仕事ですよ。千夏さん頑張りましたね。遅くなりましたが、おめでとうございます」
そういって頭を撫でられた。
「ありがとうございます」
「千夏さん」
「なんですか?」
「このまま千夏さんを抱いてもいいですか?」
「えっ?」
聞き間違いだろうか。いや、幻聴にしておくには勿体ない。
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