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第10章
第10章
「ご主人、そうなのです。実をいうと、コンビニの店員さん好きになっちゃって・・・」
人の気持ちがわかる、商い人は正にたたきあげ。
すかさず、ご主人は続けた。
「あんたさ、我々商売人はそうなのだが、お客さんをいいおもてなしで満足してもらって、なんぼなのだよ。あんたがそのコンビニの店員さんが好きなら、我々はプロ。そんな、店員さんのほうから告白なんて、99%あり得ないよ。」
え?そうなの?
「もしも、本当にその女性が好きなら、本気で結婚したいのなら、あんたのほうから声かけなきゃ」
ドキッ!!
「男だろうがよ。男は、女性を幸せにしてほんまもんだぞ」
それはその通りである。
「行きなさい。あんた、一生で何度あるかわからんぞ」
ご主人はやはり年の功。人生というものをわかっていらっしゃった。
そうなのだ。
いくらコンビニに毎日通いつめたところで、相手のほうから動いてくることは、99%あり得ない。
自分のほうから行動を起こさない限り、ほぼ永遠に結ばれることはないのだ。
これは、目から鱗であった。
客からの告白はあっても、店員さんから告白なんて、99%あり得ないのだ。
でも・・・・・・
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